2024年Global Citizen賞:Cisco若手リーダーシップ賞の応募受付は、2023年11月1日から2023年12月15日午後5時(PT)までです。詳しくはこちらを確認して、応募してください。
クリステル・クイゼラさんは力強い若手の才能です。彼女は26歳だった2020年に、自身が創設し代表を務めるウォーター・アクセス・ルワンダでの素晴らしい功績が評価され、Global Citizen賞:Cisco若手リーダーシップ賞を受賞しました。この受賞がきっかけで、彼女の活動がさらに大きな影響を生み出す道が開けました。
クイゼラさんが大学生であった、2014年に立ち上げたこの革新的な社会的企業は、ルワンダ各地の農村部で安全な水を提供するだけでなく、若者たちへのトレーニングや雇用機会も提供しています。
彼女のチームは、使われなくなった掘削穴(地下水をくみ上げるための細い井戸)を探し出し、再生させました。さらに最先端の自社インフラを加えて、安全で浄化された水を公共アクセス地点や家庭に直接届けられるようにしました。2020年までに、この団体は毎日約7万人に水を届けることに成功しました。しかしクイゼラさんの夢はここで終わりではありません。
25万ドルのCisco若手リーダーシップ賞受賞による賞金は、コロナ禍という逆境にも関わらず技術革新や事業の規模拡大にチャレンジすることで、クイゼラさんの目標の達成を後押ししました。この賞は2020年12月のGlobal Citizen賞授賞式で授与され、ニック・ジョナスに受賞者として名前を呼ばれた時の驚きから立ち直った後、クイゼラさんは「今後10年で3,000万人以上に安全な水を届けたい」という計画を語りました。
2022年のGlobal Citizen賞では、クイゼラさんはCisco若手リーダーシップ賞の審査員も務めました。メンバーには、シスコの執行副社長で最高人事・政策・目的責任者のフランシン・カツーダス、Global CitizenのCEO兼共同設立者ヒュー・エバンス、元国連事務次長兼国連女性機関執行ディレクターのプムジレ・ムランボ=ヌクカ医師、アジア・ソサエティのグローバル・イニシアチブ・グループのエグゼクティブディレクター、サンジーヴ・M・シェルチャンも参加しました。今年の素晴らしい審査委員会についてはこちらから確認することができ、2022年度Cisco若手リーダーシップ賞受賞者ニディ・パントさんについてはこちらからもっと知ることができます。
“The work we do, keeping the water running for hundreds of thousands — we’re going to scale to millions.” @Cisco Youth Leadership Award winner Christelle Kwizera is inspirational. Learn about her and her organization, @WaterRwanda, in this interview with @NickJonas for #GCPrize. pic.twitter.com/TANOpTW59w
— Global Citizen ⭕ (@GlblCtzn) December 20, 2020
給水ポンプの設置だけにとどまらず、クイゼラさんの会社は家庭やコミュニティで使える雨水の回収・浄化システムも開発・販売しています。ウォーター・アクセス・ルワンダではまた、水源から遠い農家の人たちが土地に水をやるのを助けるための新しいモデルも生み出しています。
アフリカ、サブサハラの4億人が水不足に苦しんでいる中、組織の事業を拡大することで真の大きな変化を生み出すことができます。
Global Citizenとの動画インタビュー(12月収録)で、クイゼラさんは賞を受賞してから1年でウォーター・アクセス・ルワンダのチームが85人(うち10名は新しい技術習得の見習いです。若者の失業率削減も組織のミッションの一つです)に増え、事務所も拡張したと語りました。
給水地点は122か所増え、これまで合計370か所への設置を実現しました。給水地点には太陽光パネルも追加設置しており、給水ポンプの再生可能エネルギー利用も拡大しています。
これまで新しい地域で安心して飲める水をたくさん届けてきましたが、クイゼラさんの歩みは止まりません。「2020年末時点で6万7千人だった利用者数が、今は8万8千人に増えました…でも本当は10万人を超えたかったです」と話しています。
「でも大きな節目も達成できました。それはINUMA(クイゼラさんの団体の商標取得済み水くみ上げシステム)を通じて安全な水を合計1億リットル、正式に販売・供給できたことです」とクイゼラさん。「だから祝うことも学ぶこともたくさんあるし、来年に向けて考えることもたくさんあります」。
しかし望んだ成果は、簡単には手に入りませんでした。コロナ禍が拡大し2021年もロックダウンが続く中、クイゼラさんが向き合った困難は例年以上でした。
年明け最初の6か月間、ルワンダでは感染者増と移動規制が敷かれ、ウォーター・アクセス・ルワンダの事業もかなり大きな影響を受けました。クイゼラさんが昨年6月に撮影したビデオ日記では、チームメンバーが感染して離脱したり、一時的な都市封鎖で首都キガリの拠点から出られなくなった体験を語っています。
「色々な農村に自分たちが行かないと給水が続けられないため、本当に大変です」とクイゼラさんはそのビデオ日記で話しています。「今日は、スタッフ半分の稼働でどうやって水の供給を続けるかの計画をみんなで立てています」とも語りました。
次のビデオ日記では、チームの新型コロナへのリスクが心配だと話しています。「私たちはほぼ現場の最前線スタッフです。医者ではないけれど、コミュニティで給水を続けることで同じくリスクにさらされています」。
かなり厳しい状況にも関わらず、年の後半には少しずつ状況が良くなっていきました。「8月から12月は本当にいろんな活動がありました」とクイゼラさんはGlobal Citizenに語ります。「物事がまた動き出した感じでした」。8月にはルワンダのロックダウンが終了し、「これが最後のロックダウンでありますように」ともコメントしています。
「今年自信を持って言える一番の数字は、うちのシステムの利用者が平均58%の水道料金節約ができたことです」とクイゼラさんは続けます。「だからこそ、今後は水の供給停止が減り、水道代の節約、雨水の収穫量アップが期待できます。それによって、雨水の流出や洪水も少なくなります」。
2021年11月までに新しいメンバーを育成し、商品の新バージョンも開発したクイゼラさんたちは、たまった注文への対応で大忙しだったそうです。そして、期待にあふれた2022年を迎えるのをとても楽しみにしていました。
「本当に長い1年でしたが、コロナの中でもなんとか事業を続けることができました。今はこれから先、もっと良い結果が待っていると信じています」とクイゼラさんは12月にコメントしています。
「そして、こうして私たちがやってこられたのも、CiscoとGlobal Citizenのサポートがあったからこそです。本当に素晴らしい賞をもらえたことに、今、心から感謝したいです」と彼女は付け加えました。「最近活発に動けるようになり、成果も出てきているので、この経験を生かして、アフリカ中の何百万人もの人々に安全で手頃で信頼できる水を届けるという約束を、必ず叶えていきたいと思っています」。
Global Citizen賞:Cisco若手リーダーシップ賞は、CiscoとGlobal Citizenが2018年に立ち上げたもので、世界に前向きな変化を起こしている若者を称え、応援するための賞です。