いまほど、社会正義を世界中のあらゆる議題の真ん中に置くべきタイミングはありません。社会正義というのは、公平さや平等な権利、そして「誰であっても、どこに住んでいても同じチャンスを持てる」状態をつくること。いま現実に、人権が脅かされ、市民社会の場が狭まり閉ざされていく一方で、取り残されがちなコミュニティが世界的な危機のしわ寄せを最も強く受けています。だからこそ、貧困を終わらせるためにも社会正義にフォーカスすることが欠かせません。

そこで登場するのが「Global Coalition for Social Justice(社会主義のためのグローバル連合)」。

国際労働機関(ILO)が2023年に立ち上げたGlobal Coalition for Social Justiceは、分野や専門性を超えた協力によって、根深い不平等に取り組むことを目指しています。各国や専門家、産業界が集まり、特に「働きがいのある人間らしい仕事」の創出や公正な経済成長を進めるうえで、社会正義の取り組みを政策に組み込むことを後押しします。社会的に公正な未来づくりを軸にしているからこそ、この連合は若者にも大きく門戸を開いていて、政策づくりの課題解決に関わったり、世界中の同世代に響く新しい取り組みを生み出したりすることが期待されています。

この連合は、各国の優先課題に沿いながら社会正義を進めるための「政治的コミットメント」や投資、具体的な行動を引き出すためのプラットフォームでもあります。まだ新しい存在ですが、すでにメンバーは300以上に広がっており、ジュネーブで第2回年次フォーラムの開催も予定されています。

年次「Global Social Justice Coalition Forum」って何?

2025年6月12日、ILOはジュネーブのパレ・デ・ナシオンで、第2回年次 Global Social Justice Coalition Forumを開催しました。このイベントは、同時期に行われていたILOの国際労働会議に合わせて、戦略的に同時開催となりました。

このフォーラムの狙いは、社会正義を前に進めるための対話や取り組みを継続的につなげていくこと。その中心にあるのが、若者の「意味のある参加」で、彼ら・彼女らが公正で社会的に正しい未来を一緒につくれるように後押ししています。実際に、意思決定の場に若者代表の席が用意されていて、若者が取り組みに積極的に関われるよう招いています。

フォーラムは、政府、労働者、雇用者、市民社会、そして若者が一つの場に集まり、社会正義に向けた勢いをつくるための場所でもあります。さらに、各提携会社が自分たちの組織で社会正義を進めるために、知識やツール、経験を共有できるのも大きなポイントです。

今年のプログラムでは、取り組みの成熟度に応じて、提携会社主導の対話、テーマ別ディスカッション、パネルなど、さまざまな形式で重要な介入策が紹介されました。

今年のフォーラムで話し合われたテーマには、制度全体の課題に向き合ううえでの生活賃金の重要性、地球と人間の双方にとっての正義を実現する「公正なエネルギー移行」の必要性、取り残されがちなコミュニティに力を届ける責任ある包摂的なビジネスづくり、そして「人権経済」について――人権や労働に関する権利を公的・民間の政策にどう組み込むか――といった議題が含まれていました。

注目はユース

今年もまた、連合がその目的をさらに強めていくなかで、フォーラムは社会正義の中心に若者を据えました。若者は、働きがいのある人間らしい仕事へのアクセスや経済成長を前に進めるうえで、不釣り合いなほど大きな障壁に直面しており、とりわけ取り残されがちなコミュニティ出身の若者ほどその影響が重い傾向にあります。こうした障壁を下げてアクセスを広げる鍵は、政策づくりや戦略的な介入策の議論に、若者とそのニーズをちゃんと組み込むことなのです。

ILO事務局長のジルベール・F・ウングボ氏もこの点を改めて強調し、調和のとれた社会をつくるためには、若者の参加に投資することが重要だと述べました。

「平和な社会は、安定、包摂、そして社会正義という3つの核となる要素の上に成り立っています。そして、ディーセント・ワークを通じて若者に力を与えることは、その3つすべての中心にあります」と彼は説明しました。

さらに彼は、「急速に変化する世界のなかで、若者にはますますデジタル化する経済が求めるスキルも必要です。すべての人の社会正義を前に進めようとするなら、若者が力を持ち、対話の輪に入っていることを確実にしなければなりません。そうしてこそ、彼ら・彼女ら自身が、彼ら・彼女らのためにつくられる政策を形づくれるのです」と語りました。

Global Initiative on Decent Jobs for Youthのような取り組みを通じて、この連合は若者の雇用、起業、スキル開発を後押しするために90以上の組織を結集しています。職場における社会正義、そしてそれを超えた社会正義の取り組みを持続可能にしたいなら、若者を「支援の対象」としてだけではなく、「意思決定者」として関わってもらう必要があります。

いま私たちは、若者が受け継ぐ世界をまさに作っている最中で、いま彼ら・彼女らを含めなければ、その分だけ若者の未来は苦しくなります。ですから連合は2025年を通じて、世界の若者を組織の仕組みに効果的に統合しながら、働きがいのある人間らしい仕事へのアクセス拡大も引き続き訴えています。既存の意思決定の場に若者を入れていく取り組みに加えて、連合はGlobal Youth Employment Forumも開催・推進しています。ここには地域、民族、セクターを超えて100人以上の若いチェンジメーカーが集まり、アイデアを交換し、若者主導の提言を提示し、リーダーたちにもっと良くするよう突きつけていきます。

社会正義は、いまある世界的課題にどう影響する?

世界の貧困を生み出すあらゆる課題は、人権や平等、資源へのアクセスが欠けていることで、さらに悪化していきます。たとえ世界的課題そのものが解決に向かったとしても、その解決策に社会正義の取り組みが織り込まれていなければ、貧困や不平等は結局残り続けます。分かりやすい例が、Global Citizenが積極的にキャンペーンを行っている気候危機の影響です。

気候変動の影響と社会正義の必要性は深く結びついています。気候危機は、問題への加担が最も少ないにもかかわらず、先住民を含む取り残されがちなコミュニティに不均衡に大きな被害をもたらし、その結果を最も強く背負わせてしまうからです。こうしたコミュニティは、異常気象、食料不安、移住・避難といった気候影響に適応するための資源が不足していることも多くあります。

たとえばProtect the Amazonの呼びかけのように、先住民コミュニティを守り、豊かな生物多様性を守るために、社会正義の視点から気候危機に向き合うということは、気候解決策への公正なアクセスを確保しつつ、歴史的な不平等を認識し、正していくことでもあります。この「公平さ」を軸にしたアプローチがなければ、気候アクションそのものが既存の社会・経済的な分断をさらに深めてしまう可能性があります。

このフォーラムへどうやって支援できる?

1. 政策への反映

もしあなたが意思決定に関わる立場なら、若者の視点を政治的な議論や政策協議、社会的対話にしっかり取り入れるよう働きかけてみてください。さらに、Global Initiative for Decent Jobs for Youthに参加したり周りに広めたりするのもおすすめです。2025年のILO Global Youth Employment Forumには、若者の参加者を推薦したり、調査や運営の資金を支援したり、若者主導の提言を拡散したりして関わることができます。詳しくはこちら。

2. アドボカシーと社会への周知

若者の雇用と社会正義の大切さに光を当てるキャンペーンを立ち上げたり、サポートしたりしましょう。Global Youth Employment Forumの認知をもっと広げて、若い人たちが知識や視点を持ち寄れるように声をかけてください。

3. Global Citizenと一緒に実行する

社会正義のために、アドボカシーや戦略的な政策づくりへ若者が参加する重要性を広めましょう。下のアクション、またはthe Global Citizen appから、あなたも一緒に実行してください。 

不平等の拡大や気候危機の影響など、いくつもの危機に直面している今の世界で、若者は変化を待ってなんかいません。自分たちで変化を起こしています。Global Social Justice Coalition Forumは、若者の声がいっそう届き、アイデアが行動に変わり、より良い未来を――みんなで一緒に――形にしていく場所なのです。


この記事の画像は、Global CitizenのEmerging Creatives Programの受賞者であるTariq Lawalがデザインしました。彼と作品については、こちらからもっと知ることができます。

Global Citizen Explains

貧困の撲滅

若者にとって「社会正義グローバル連合」が重要な理由は?

作成者: Global Citizen Staff