2025年は、Global Citizen Waislitz賞が始まって11年目の年です。 毎年、社会に大きな影響を与えてきた情熱あふれる才能たちが集まっています。今年も、素晴らしい受賞者たちが決定しました。今年選ばれたリーダーたちは、極貧を終結したいという強い想いを持ち、医療を本当に必要な人たちに届け、小規模農家に革新的な農業技術を届け、水の貧困をなくすために動くなど、それぞれ大きな実績を重ねています。

今年のGlobal Citizen Waislitz賞では、3人の受賞者たちがそれぞれ10万ドル、合計30万ドルの賞金を獲得しました。さらに、人脈構築のサポートも提供され、彼らが自身の団体を通してすでに与えている影響をさらに加速させる役に立つことでしょう。

それでは、今年の受賞者たちを紹介します!

グランプリ受賞者:オセイ・ボアテング(ガーナ)

2025年Global Citizen Waislitz賞・Global Citizen賞受賞者のオセイ・ボアテングは、OKBホープ財団創設者であり、医療起業家です。
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医療起業家であり、OKBホープ財団の創設者兼エグゼクティブディレクターのオセイ・ボアテングが、ガーナの医療アクセスを革新した功績によりグランプリを受賞しました。

ボアテングの原動力は自身の経験から来ています。祖母と叔母を、十分な医療が届かなかったことで亡くした彼は、二度と予防できる悲しい別れが起こらないよう、生涯をガーナの恵まれない地域の医療の質とアクセス改善に捧げています。

彼が設立したOKBホープ財団は、医療機材を備えた医療バン(移動診察車)によるプライマリケアや予防医療、そして経験豊富な医療従事者による地域医療を展開しています。彼のリーダーシップの元、80の農村部で1万人以上に医療を提供し、また3,000人以上の学生にメンタルヘルス教育も届けてきました。ボアテングは、受け身の医療から先回りする医療へのシフトを目指しています。特にパンデミック後の今、それは必要不可欠です。今回の受賞支援で、ボアテングは移動診察車の拡充、さらに遠隔地のコミュニティへの医療サービスの提供、誰一人取り残さない命を守る仕組みをどんどん広げていく予定です。

ディスラプター賞:マリアンヌ・ギチャンガ(ケニア)

2025年Global Citizen Waislitz賞「ディスラプター受賞者」マリアンヌ・ギチャンガはアグリテック・アナリティクスの共同創設者兼CEOです。
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マリアンヌ・ギチャンガは、アグリテック・アナリティクスの共同創設者兼CEOです。革新的な農業技術の推進力が評価され、ディスラプター賞を受賞しました。

ケニアの小規模農家で育ったギチャンガは、害虫や土壌劣化、気候変動の影響で収穫がなかなか上がらず、貧困から兄のジャスティンが学校を辞めざるを得なかったことなど、母親が兄弟や家族を食べさせていくのに苦労する様子を見て育ちました。

その辛い子供時代の経験が彼女の原動力となり、彼女は2018年にアグリテック・アナリティクスを立ち上げました。特に女性や若手の小規模農家に、AIを活用したIoT(モノのインターネット)センサーを提供し、たった4分でその場で土壌健康診断を行うことで、害虫や作物病もリアルタイムで検知することができます。今では、毎月約1万の農家がこの技術を使うことで収穫量が最大75%向上し、コストの63%削減を実現しています。ギチャンガの団体は、今回のGlobal Citizen Waislitz賞受賞で、毎月1万5,000人の農家にこのサービスを提供し、不毛な土地13万5,000ヘクタールを再生して、根本から貧困を終わらせるビジョンを描いています。

ピープルズチョイス賞:ジョシュア・イコール(ナイジェリア)

2025年Global Citizen Waislitz「ピープルズチョイス」賞受賞者ジョシュア・イコールはジオテック・ウォーター・ソリューションズ創設者兼CEOです。
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水文学者であり、ジオテック・ウォーター・ソリューションズの創業者兼CEOであるジョシュア・イコールが、ナイジェリアでの水貧困解決を目指した取り組みでピープルズチョイス賞を受賞しました。

イコールは2010年、自身が水系疾患で生死をさまよったことから、水貧困をなくすという生涯をかけた使命に従事することを決めました。2021年、彼は太陽光発電の給水スタンドやリアルタイム水質監視システムを設置し、汚染や水インフラのトラブルを早期発見できる社会的企業である、ジオテック・ウォーター・ソリューションズを設立しました。活動拠点はナイジェリアやサヘルの紛争地や取り残された地域です。

設立以来、1,000か所以上で水インフラとモニタリングシステムが導入され、10万人以上に安全な水が安定供給されています。イコールの仕事は、インフラ停止時間を減らし、脆弱なコミュニティの水アクセス復旧を実現することです。今回のGlobal Citizen Waislitz賞受賞で、2026年までに20万人へサービスを拡大し、さらにアフリカ5か所の新地域で事業を展開していく予定です。

この賞についての詳細

この毎年送られる賞は、Waislitz財団とGlobal Citizenが主催しており、極貧の根本原因を解決しようと奮闘する社会起業家やイノベーターの素晴らしい挑戦を全力で応援するものです。Waislitz財団自身も、革新的なプロジェクトを通じて、個人が最大限の力を発揮し世の中にしっかり影響を与えられるよう、地域から世界まで幅広くポジティブな変化を作り出しています。

「極貧の終結は、選択ではなく責任です。世界中で何千人、何万人もの人が自分に今できることを始めることで、困難な中にいる人の生活をもっと良くしていこうと刺激を受けることを心から願っています」とWaislitz財団(本部:メルボルン)創設者&会長であるアレックス・ウェイスリッツは語っています。

Editorial

貧困の撲滅

2025年Global Citizen Waislitz賞受賞者の紹介

作成者: Fadeke Banjo