2024年を締めくくるにあたり、この本当に大きな変革の年を振り返りたいと思います。
Global Citizen: NOWやGlobal Citizenフェスティバルなどのキャンペーンを通じて、私たちの変化を求める行動の呼びかけに世界中のリーダー、アーティスト、慈善家が4つの大陸で集結しました。その結果、1年間でGlobal Citizenが記録的な430万件もの行動を起こし、公平性、地球、貧困根絶へ向けた歴史的な誓約を勝ち取ることができました。
来年もイベント盛りだくさんで盛り上がりそうです。2つの1年を通した新キャンペーンに加えて、Move Afrikaのナイジェリアのラゴスやルワンダのキガリでのコンサート、ブラジルのベレンでのGlobal Citizenフェスティバル:アマゾニアなど、世界中を駆け巡る主要イベントも控えています。
この先のイベントも楽しみですが、その前に、昨年達成したことを一緒にお祝いしましょう。
変化を加速させた主なイベント
Global Citizen NOWサミット
今年はGlobal Citizen NOWがメルボルン、ニューヨーク、リオデジャネイロで開催され、気候危機、男女格差、世界的健康、食料不安といった課題に取り組むため、様々な分野のリーダーや変化を求める人々がアイディアを出し合い、実際の行動へとつなげていきました。
Global Citizen NOWメルボルンで、「誰もが安全な世界」の実現についてパネリストが議論する様子。
メルボルンでのサミットでは、Global CitizenとMicah Australiaが共同で「すべての人にとってより安全な世界」キャンペーンを始動し、地域の課題に焦点を当てつつ、オーストラリアによるさらなる支援を呼びかけました。また、太平洋の市民社会団体が化石燃料のない太平洋を目指し、クリーンエネルギーへの移行を促進する法的効力のある「化石燃料不拡散条約ニアウイ宣言」を発表したのも大きな進展です。さらに、Marie-Ange Saraka-Yao(Gavi、ワクチンアライアンス資金調達・事業成長最高責任者)は2024年7月から東ティモールでHPVワクチン接種を開始すると発表し、8万6千人以上の女性と少女の健康に影響を与える重要な一歩になりました。
Global Citizen NOW: ニューヨーク市でパネルディスカッション「民主主義の実践」の参加者が熱い議論を交わした様子。
5月のニューヨークで開催されたGlobal Citizen NOWサミットでは、Global Citizenと気候と健康財団の新たな協調関係が発表され、気候変動が医療システムに与える影響に対応していくことになりました。また、Global Citizen賞受賞者Andrew DdembeやGavi CEOのDr. Sania Nishtarが登壇し、2024年末までにアフリカ20カ国で1億人以上の子どもを対象にした史上最大規模のはしか・風疹ワクチンキャンペーンの開始を発表しました。
潘基文前国連事務総長が2024年9月25日、Global Citizen健康・気候セッションで化石燃料不拡散条約を初めて支持した様子。
Global Citizen NOW: 健康・気候資金調達セッション
9月のニューヨークでの国連総会と気候ウィークに合わせて開催されたこの会談では、気候変動と医療資金の深い結びつきに光を当てました。国家リーダー、民間企業、活動家らが一堂に会して、人々の健康を守りつつ、特に脆弱な国々での気候変動への耐性を高める方法について議論しました。バルバドスのMia Mottley首相やアンティグア・バーブーダのGaston Browne首相は、財政の溝を埋めるため、高排出産業への課徴金の導入など革新的な政策の必要性を訴えました。一方、潘基文前国連事務総長は化石燃料不拡散条約への初めての公的支持を表明し、化石燃料時代の終焉に向けて更なる勢いが加わりました。
(左から)ヴァネッサ・オリヴェイラ、シリア・カクリアバ、ラリッサ・ピント・モラエス、ドロン・アブニ、マーシエリ・アヤプ・トゥパリが、ブラジル、リオデジャネイロで2024年11月17日に開催されたGlobal Citizen NOW:リオデジャネイロの舞台に登壇する様子。
G20サミット開幕前夜に行われたリオでの2日間のイベントは、シリーズ初の南アメリカ開催でした。2024年のG20議長国と共同主催し、450名以上の世界のリーダーやイノベーター、支援者が参加しました。南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、カナダのジャスティン・トルドー首相など、多くの登壇者がアマゾンをはじめとする重要な生態系保護や、再生可能エネルギーへの迅速な転換、先住民の声を届けるプラットフォーム、気候変動の影響を最も受けるコミュニティ支援の大切さについて語りました。
Benson BooneがGlobal Citizenフェスティバル2024で圧巻のパフォーマンスをする様子。
Global Citizenフェスティバル
Global Citizenフェスティバルが今年もセントラルパークで開かれ、6万人の参加者が大スターのパフォーマンスや世界のリーダーによる行動の呼びかけを体験しました。司会を務めたのはヒュー・ジャックマンで、Post Malone、Doja Cat、Rauw Alejandro、Jelly Roll、Benson Boone、LISAら人気アーティストに加え、Chris Martin(Coldplay)とEd Sheeranによるサプライズのアコースティック演奏もありました。Jane Goodallや欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長といった著名人が参加し、スペインのペドロ・サンチェス首相や米国上院議員Chris Coonsなどはビデオで出演しました。フェスティバルに向けて、これまでで最多となる340万件を超える行動がGlobal Citizenのプラットフォームで行われ、貧困撲滅や地球の保護、公平性の実現に向けて10億ドル以上の政策・資金コミットメントを引き出す大きな影響を生み出しました。
(左から)Mélina Makissi、Marie-Ange Saraka-Yao、Uche Ralph-Opara、Pierre Dimba、Ada Osakweが2024年10月9日、アビジャンで開催された経済発展会議:アフリカの未来の発展に参加した様子。
経済発展会議(EDA)
2024年のもう一つの注目イベントは、コートジボワールで初開催された経済発展会議(EDA)です。この会議では公的・民間部門のリーダーが集結し、アフリカ全土の持続可能な発展への新しい投資を促進し、急増する人口のニーズを満たすため、国際社会によるさらなる支援の重要性を訴えました。その成果として、100名以上のリーダーが署名したアビジャン協定が誕生しました。特に世界銀行のIDA(国際開発協会)などの基金への資金拡充を約束し、低所得国が医療や教育、電力や気候対策などに不可欠な安価な資金を得て投資できるようにすることを強調しました。
インパクトのあるキャンペーン
COP30への道
11月に、Global Citizenは気候正義と公平性を訴える1年間のキャンペーンを始動させ、新たな約束にあふれた2025年、そしてCOP30(国連気候変動会議)へ向けてみんなを盛り上げています。このキャンペーンの柱は、アマゾン熱帯雨林を守ること、公正なエネルギー転換を加速させること、そして気候変動の影響を最も受けやすい最前線のコミュニティを支援することです。キャンペーンの締めくくりは、ブラジル、ベレンで開催されるCOP30サミットと、初めてのGlobal Citizenフェスティバル:アマゾニアで迎えます。
アフリカの再生可能エネルギー
Global Citizenはさらに、欧州委員会ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領、そして国際エネルギー機関の協力を得て、アフリカ全土で再生可能エネルギーを拡大させる1年間のキャンペーンを発表しました。このキャンペーンは2025年11月にヨハネスブルグで開催されるG20サミットで集大成を迎え、COP28で定めた2030年までに再生可能エネルギー容量を3倍にする目標、そして6億7500万人ものアフリカで電気が使えない人々の課題に対応するために、各国政府・民間部門・多国間銀行からの支援獲得を目指します。
障がいのインクルージョンと公平性
2024年には、障がいに関する認知と国際開発の政策ギャップを埋めるために、インクルージョンを基本的人権として重視する新たなキャンペーンも始動しました。ドイツ、ヨルダン政府や国際障害同盟と連携しながら、世界中の10億人以上の障がいのある方々へのバリアを取り除き、2025年4月開催予定の、ベルリンでの世界障害者サミットへとつなげていきます。
世界的健康とワクチン
Global Citizenは引き続き、Gavi(ワクチンアライアンス)の2025年終了予定の補充キャンペーンをサポートするよう各国に呼びかけます。これは2030年までに5億人の子どもに予防接種を届けるために必要な90億ドルの確保を目指すもので、Global Citizenの世界的健康と低所得国のワクチンで予防可能な病気をなくす広範な活動の一環です。
Move Afrikaを再び
そして、私たちはクリエイティブパートナーのpgLangと共に、今までにない音楽ツアーサーキットであるMove Afrikaコンサートシリーズの次回開催をお伝えします。Move Afrikaは、アフリカでの経済投資や雇用、起業のチャンスを創出することを目的とし、2025年2月には西アフリカに進出し、ナイジェリアのラゴス、ルワンダのキガリで開催されます。次回の主演はEGOT受賞アーティストのJohn Legendで、アフリカの文化とクリエイティブなコミュニティの力強さがさらに発信されていきます。
これからに向けて
2024年のGlobal Citizenによる成果は、みんなの声が持つ力の証です。今年は、個人、リーダー、団体が一つになることで、変化は可能なだけでなく、必然的に起こすことができるということを証明しました。2025年に向けて、今年の活動で生まれた勢いが、これからも世界の課題に取り組む原動力になり続けます。Global Citizenの活動はこれまで以上に重要であり、世界中の活動家や市民のサポートがあれば、来年もより大きなインパクトを生み出す一年になる と、自信を持って言えます。